台湾特許出願

台湾の特許制度 台湾実用新案登録

台湾特許出願の必要書類

◆委任状
◆優先権証明書(優先権主張をする場合のみ)
◆特許明細書(図面、特許請求の範囲を含む)

出願願書には「発明の名称の中文表記と英文表記」、「出願人の中文表記と英文表記」、「代表者及びその住所又は営業所所在地の中文表記と英文表記」、「発明者の中文表記と英文表記」、「優先権主張国の国名、優先権主張番号、優先日」、「実体審査の要否」を記入する必要があります。

二人以上の出願人の優先権証明書の提出について、台湾出願案に関係のあるものはすべて優先権証明書の提出が必要であり、優先日は一番早い日から起算します。  

出願願書の提出と同時に日本語明細書又は英語明細書を添付します。明細書の中文訳文は出願日後4ヶ月以内(但し、提出期限の延長請求により、さらに2ヶ月延長することができます。)に提出する必要があります。

委任状には委任者及び代表者の記名・押印が必要です。なお、委任状の書式は個別の発明(又は商標)の名称を明記しない場合、次回の出願では最初提出したもののコピーに出願番号を記入して提出すればよいです。

現時点では、知的財産局(特許庁)所在の台北市以外の新竹市、台中市、台南市、高雄市にはそれぞれの窓口があり、書類は必ず台湾時間の午後430(日本時間530)以前に提出しなければなりません。

 

台湾特許出願の流れ

 

台湾の特許制度

台湾の特許制度 台湾の特許主務官庁 発明の定義及び発明の種類
特許の要件 特許出願の方式 新規性喪失の例外規定
存続期間 出願の単一性 発明の同一性
出願の変更 特許出願権者及び特許権者の権利 外国人の出願
外国人の権利 国内優先権 冒認出願
出願公開制度及び出願審査請求制度 特許審査の方式 明細書を補正できる時期及び範囲
特許料の納付 特許権の効力 特許権侵害の損害賠償及び訴訟
無効審判

◆台湾の特許制度

台湾の特許制度は発明者及びその承継人のみが特許を受けることができるという発明者主義、並びに先に出願した者のみに対して特許が付与されるという先願主義を採用しています。また、産業上の利用可能性、新規性、進歩性などの実体要件を審査するという審査主義を採用しています。台湾特許法において特許とは発明、実用新案、意匠をいいます。

 

◆台湾の特許主務官庁

台湾の特許出願審査と特許権利の授与などの業務を司っている特許主務官庁は知的財産局であって、経済部(日本の経済産業省に相当)に属する機関で、旧名は中央標準局であり、1999年1月26日に「 知的財産局」と名称変更しました。特許出願の審査については、内部審査官のほか、大学教授、学者などの外部審査官にも審査を依頼します。現時点では、外部審査官は約600名で、特許審査官総数の約8割を占めています。知的財産局の発表によりますと、2007年まで、外部審査官の総数を現行の約600名から60パーセント減の86人以下に縮減します。

また、特許に関する業務は知的財産局の特許一組、特許二組、特許三組が取扱っています。特許一組は四科に分けられており、専利(特許)代理人の登録、特許証発行、年金納付、半導体集積回路回路配置利用権証発行、方式審査、特許検索及び意匠登録出願の審査などの業務を取扱っており、特許二組は六科に分けられており、電子、電機、情報、機械、土木、医学、農薬、飲食品、微生物、バイオ技術、無機化学、有機化学、高分子化学に関する特許出願の審査を取扱っており、特許三組は五科に分けられており、発明、実用新案、意匠の再審査、無効審判、半導体集積回路回路配置利用権の処理、鑑定及び強制実施などの業務を取扱っています。

 

◆発明の定義及び発明の種類

(発明の定義):
台湾特許法は「発明とは自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」と規定しています。自然法則自体、発見、自然法則に反するもの、自然法則を利用していないもの、技術的思想でないもの、課題を解決する手段が明らかに不可能なものは発明に該当しません。

(発明の種類):
発明の種類について、物の発明、方法の発明、物を生産する方法の発明、コンピュータソフトウエア関連の発明、 ITを利用したビジネス方法関連の発明などが挙げられます。

 

◆特許の要件

特許の積極要件について、発明は産業上の利用可能性、新規性、進歩性を具備しなければなりません。産業上の利用可能性について、動物、植物、及び動物や植物を生み出す主な生物学的方法(微生物学的方法はこの限りでない)、人体又は動物の病気の診断、治療又は外科手術の方法、発明が業として利用できませんもの、実際には実施できない発明は産業上利用できませんとされます。新規性について、世界において公然と知られた技術、公然実施をされた技術、頒布された刊行物に記載された技術を対象として判断します。進歩性について、新規性があっても、その技術分野の通常知識を持っている者が出願前の従来の技術に基づいて容易に思い付つ場合は特許を受けることができません。

また、特許を出願した発明がその出願より先に出願され、かつその出願後はじめて公開又は公告された発明特許若しくは実用新案登録出願に添付される明細書又は図面に記載された内容と同一である場合、特許を受けることができません即ち、先願の出願公開などにより、たとえ先願が公開される前に後願が出願されても特許権を付与することができません。但し、該出願人と先に出願された発明又は実用新案登録の出願人が同一である場合はこの限りではありません(国内優先権を主張できるものはこの限りではありません)

特許の消極要件について、公の秩序又は公序良俗又は公衆衛生を害するものは特許を付与することができません。

 

◆特許出願の方式

特許に関する出願及びその他の手続は書面により行い、電子方式出願の導入その施行日及び規則はまだ定められません。

特許出願は、特許出願権者が願書、明細書、必要な図面を備えて提出しなければなりません。願書、明細書、必要な図面が全て揃った日を出願日とする。外国語で提出する場合、中国語翻訳文が必要であります。

 

◆新規性喪失の例外規定

自己発表による新規性の喪失には、次の各項によりその公知となった日から6ヶ月以内に出願をした場合、新規性の喪失は免れる。(発明、実用新案、意匠のいずれも適用)

  1. 研究又は実験のため、

  2. 政府が開催する展覧会又は政府の認可を受けた展覧会で展示されたため、

  3. 出願人の意図に反して、公知になったもの。

1.研究又は実験のため」は新規性喪失例外として認められるのは、1)、発明者が刊行物(例えば学会誌)により発表した場合、2)、発明者が国内・国外で学術論文を発表した場合。なお、新規性喪失例外の規定の適用を受けようとする時は例えば、学会誌による論文発表の場合、該当論文のコピーを提出する必要があります。

 

◆存続期間

(発明特許権の存続期間):
特許権の存続期間は出願日から20年をもって満了とする。但し、医薬品、農薬又はその製造方法に係る発明特許権の実施が、他の法律の規定により、許可証を取得しなければならず、かつその取得に特許出願の公告日から2 年以上の期間を要する場合、特許権者は特許権の存続期間を、1 回に限り、2 年から5 年までの延長を申請することができます。延長を許可する期間は、中央目的事業主務官庁から許可証を取得するために必要な期間を超えてはならない。許可証を取得するための期間が5 年を超える場合も、その延長期間は5 年までとする。但し、1994 年1 月23 日より前に提出された出願は、特許存続期間の延長を申請することができません。

1994年1月23日より前に査定公告された発明特許権の存続期間は公告日より起算して15年をもって満了するとされ、また出願日より起算して18年を超えてはならないとされていたため、1994年1月23日より前に査定公告を受けた一部の発明特許権は、その存続期間が出願日から起算して20年より短いものがあります。改正特許法により、出願日から起算して20年より短い存続期間を有する発明特許権は、世界貿易機関(WTO)のTRIPs協定が台湾の管轄区域内で発効する日(2002年1月1日)に依然として存続していれば、その存続期間は出願日から20年間に延長されます。

(実用新案権の存続期間):
2004年7月1日から実用新案は実体審査が廃止され、存続期間は出願日から10年を定めています。

(意匠権の存続期間):
意匠権の存続期間は、出願日から起算して12 年をもって満了とする(日本の場合は設定登録の日から15年の存続期間を定めている)。

 

◆出願の単一性

二以上の発明が一の広義の発明概念に属する場合、一の願書で出願を提出することができます。出願の単一性の要件に違反する場合は手続上の瑕疵として扱われます。特許主務官庁の通知又は出願人の請求により、出願を分割することができます。前項分割出願は原出願の再審査の査定前(日本の最後の拒絶理由通知が送付される前に相当)に行わなければなりません。分割出願の出願日は原出願の出願日に遡及します。また、原出願は優先権がある場合、分割出願も優先権を主張することができます。

 

◆発明の同一性

同一発明について、二以上の出願があった場合には、最先に出願した者のみが特許を受けることができます。優先権を主張する場合、優先日を基準として判断します。同日に二以上の出願(発明又は実用新案は準用)があった場合には、出願人の協議により定めた一の出願人のみが特許を受けることができます。

 

◆出願の変更

発明又は意匠登録を出願した後、実用新案の出願に変更する場合、又は実用新案登録を出願した後、発明の出願に変更する場合は、原出願の出願日をその変更後の出願の出願日とする。但し、原出願について許可査定書又は処分書が送達された後、或は原出願の拒絶査定書又は処分書が送達された日から60 日以上経っている場合には、出願変更を申請することができません。

 

◆特許出願権者及び特許権者の権利

特許出願権者(台湾特許法により、特許出願をする権利を持っている者)は台湾特許法で別に規定がある場合、又は契約で別段の約定がある場合を除き、発明者(実用新案出願の場合は考案者)又はその譲受人や相続人を指します。

特許出願権及び特許権はいずれも譲渡又は相続することができます。特許出願権は質権の目的とすることができません。特許権を目的として質権を設定した場合、契約で別段の約定がある場合を除き、質権者は該特許権を実施することができません。

従業者が職務上完成した発明、実用新案又は意匠について、その特許出願権及び特許権は雇用者に帰属し、雇用者は従業者に相当の対価を支払わなければなりません。但し、契約で別段の約定がある場合は、それに従います。特許出願権及び特許権が雇用者又は出資者に帰属する場合、発明者又は創作者は氏名表示権を享有します。

特許出願権が共有である場合、共有者全員により出願を提出しなければなりません。2 人以上が共同で特許出願以外の特許に関する手続を行う場合、出願の取下又は放棄、分割、出願変更又は特許法の別段の約定により共同署名しなければならない場合を除き、各自が単独でその他の手続を行うことができます。また、他の共有者の同意を得なければ、その持分を他人に譲渡、信託したり、又は質権を設定することができません。また、共有者が自ら実施する場合を除き、共有者全員の同意を得なければ、他人にこれを譲渡したり又は実施許諾することができません。但し、契約に別段の約定がある場合は、その約定に従います。

特許出願権を継承した者は、出願時に継承人の名義で特許出願をしなかったり、出願後特許主務官庁に名義変更を申請しなかった場合、第三者に対抗することができません。

発明特許権者がその発明特許権を他人に譲渡、信託、実施権を設定したり、又は質権を設定する場合、特許主務官庁に登録しなければ、第三者に対抗することができません。

発明特許権の譲渡又は実施許諾について、契約に次の各項に該当する約定があることにより、不正競争が生じた場合、その約定は無効とする。 1、 譲受人に対し、特定の物品、又は譲渡人や実施権者でない者が提供する方法を使用することを制限又は禁止するもの。 2、 譲受人に対し、特許の保護を受けていない製品又は原料を、譲渡人から購入するよう要求するもの。

 

◆外国人の出願

出願人は特許出願及び特許に関する事項の処理について、代理人に委任して行うことができます。台湾国内に住所又は営業所がない者は、特許出願及び特許に関する事項の処理について、代理人に委任しなければなりません。代理人は法令に別段の規定がある場合を除き、弁理士でなければなりません。現状では、司法官試験、弁護士試験、工業技術士試験(いずれも高等試験)に合格する者、或いは短大卒以上の学歴を持って、特許主務官庁にて二年以上の審査事務に従事する者は専利代理人(日本の弁理士に相当します)の資格を取得することができます。今まで、専利代理人の資格を持っている者が8000名を超えているが、実際に特許関係業務に従事する者は約400名で、その大半の特許事務所の経営者は弁護士です。将来的にいま国会審議中の「専利師法(弁理士法)」が通過した後、弁理士試験は弁理士資格取得のための唯一の方法となります。

 

◆外国人の権利

外国人の属する国と台湾が共同して特許保護に関する国際条約に加盟していない場合、又は相互に特許を保護する条約や協定又は団体や機構間で特許保護に関する主務官庁が認可した協議がない場合、又は該外国人の本国が台湾国民による特許出願を受理しない場合には、台湾の特許主務官庁は該外国人の特許出願を受理しないことができます。

日本と台湾との間には正式な国交関係がなく、日本は台湾国民に対し平等主義と相互主義を採用し、日本国民と同一の条件により特許権その他特許に関する権利の享有を認めますので、台湾も日本国民に対し、特許法上で区別せず権利能力を認めます。

出願人が同一の発明について、WTO加盟国において又は台湾と相互に優先権を承認する外国において、最初に法律に則って特許出願し、かつ最初の特許出願の日から12ヶ月以内に、台湾に特許出願をする場合、優先権を主張することができます。優先権期間の起算日は最先の優先日の翌日とする。

外国の出願人がWTO 加盟国の国民ではなく、かつその所属する国と台湾とが相互に優先権を承認していない場合、WTO 加盟国又は互恵関係にある国の領域内に住所又は営業所を有していれば、優先権を主張することができます。現在では、日本と台湾とは相互に優先権を承認しています。

優先権証明書は出願日から4 ヶ月以内に提出しなければなりません。特許出願人が一出願について二以上の優先権を主張する場合、その優先権期間の起算日は最先の優先日の翌日とする。

 

◆国内優先権

出願人が台湾において先に出願した発明又は実用新案に基づき特許出願を再提出する場合、先願の出願時の明細書又は図面に記載される発明若しくは創作について国内優先権を主張することができます。但し、次の各項がある場合、国内優先権を主張することができません。

  1. 先願の出願日の翌日から既に12ヶ月が過ぎている場合。

  2. 先願に記載される発明又は創作について、既に台湾の特許法の規定により国際優先権若しくは国内優先権が主張されている場合。

  3. 先願が分割出願又は変更出願である場合。

  4. 先願が既に査定された場合。

 

◆冒認出願

特許出願権者でない者が出願し、特許を受けた発明について、特許出願権者が該発明特許の公告日から2 年以内に無効審判を請求し、かつ審決で無効が確定した日から60 日以内に特許出願をした場合、該特許出願権者でない者の出願日を該特許出願権者の出願日とする。

 

◆出願公開制度及び出願審査請求制度

(出願公開):
企業による研究開発及び投資の重複を回避するため、発明の出願公開制度が導入されます。手続き上の不足点及び公開すべきでないとの理由が特に認められない場合には、出願日の翌日から18ヶ月を経過した後、当該出願は公開されます。但し、優先権を主張する場合は優先日の翌日(二以上の優先権を主張する場合、その起算日は最先の優先日の翌日とする)から18ヶを経過した後に公開されます。なお、出願人の請求により、早期に出願公開を行うこともできます。

但し、次の場合は公開されません。

  1. 出願日から15 ヶ月以内に取り下げられる場合。

  2. 国防上の機密又はその他の国家安全に関わる機密に及ぶ場合。

  3. 公序良俗を害する場合。

(補償金請求権):
2002 年10 月26 日以降に提出された発明特許出願の出願人は、その出願の公開後、かつて発明特許出願内容について書面による通知を行ったにもかかわらず、通知後かつ公告前に依然として該発明を業として実施し続けた者に対し、該発明特許出願の公告後、適当な補償金の支払いを請求することができます。

既に公開された発明特許出願であることを明らかに知りながら、公告前に業として該発明を実施し続けた者に対しても、補償金の請求をすることができます。

(消滅時効):
補償金の請求権は、公告日から2 年以内に行使しなければ、消滅します。

(出願審査請求):
出願公開制度に伴って、出願審査請求制度及び優先審査請求制度が導入されます。誰(出願人と出願人以外の第三者)でも出願審査を請求することができます。出願人以外の第三者にも出願審査請求権を認めたのは第三者が特許出願に係る発明を実施している場合又は実施を希望している場合に、その特許出願に係る発明が特許されるか否かをできるだけ早く知る必要があるからです。但し、実体審査が請求されれば、取り下げることができません。出願人以外の第三者から審査が請求された場合、その事実を特許主務官庁から出願人に通知します。審査請求の事実は特許公報に掲載されます。

出願審査請求の期間は出願日から3年以内に限り、3年の期間内に実体審査を請求しなかった場合は、該発明特許出願は取り下げられたものと見なす。また、分割出願、又は発明特許への出願変更は3 年を過ぎた場合、分割出願又は出願変更を行った日から30 日以内に、特許主務官庁に実体審査の請求をすることができます。

(優先審査請求):
特許出願の公開後かつ査定公告前に特許出願人でない第三者が業として特許出願に係る発明を実施している場合に、特許出願人と第三者との間に紛争が生じたりして、特許権が発生するか否かについて、早く結論を出す必要があると特許主務官庁は請求により当該特許出願を優先的に審査することができます。

早期公開制度及び審査請求制度に係る規定は、実用新案登録出願又は意匠登録出願には適用しません。

 

◆特許審査の方式

特許審査は主に書面により行うが、特許主務官庁は、発明特許の審査の際、請求により又は職権で、期限を指定して、特許主務官庁に出頭して面談すること、或いは必要な実験を行い、模型又は見本を追加することを行うよう出願人に通知することができます。

拒絶理由答弁書(理由書)の提出について、それぞれ「初審拒絶理由事前通知書」、「初審査定書」、「再審拒絶理由事前通知書」、「再審査定書」に対する答弁書を提出することができます。「初審拒絶理由事前通知書」又は「再審拒絶理由事前通知書」に対する答弁書の提出回数は答弁書内容により、再度「初審拒絶理由事前通知書」又は「再審拒絶理由事前通知書」を受ける場合もあります。「再審査定書」に対する答弁書、(つまり「訴願理由書」)は経済部訴願委員会に提出します。ここで、日本の特許審査の「最初の拒絶理由通知」と「最後の拒絶理由通知」のように、「最後の拒絶理由通知」として拒絶理由に応答する補正は限定的なものではありません。但し、新規事項の追加、特許請求の範囲の拡大が禁止されます。

拒絶理由通知書の到着日から60日以内に答弁期限延長の請求を提出すれば、60日の答弁期限延長が可能です。即ち、答弁期限延長の請求により、拒絶理由に対する答弁書は拒絶理由通知書の到着日から120日以内に提出することが可能です。

 

◆明細書を補正できる時期及び範囲

出願人は、発明特許を出願した日から15 ヶ月以内に、明細書又は図面を補正することができます(優先権の主張がある場合、その起算日は優先日の翌日とする)。15 ヶ月以後に明細書又は図面の補正を申請した場合、原出願により公開します(優先権の主張がある場合、その起算日は優先日の翌日とする)。出願人は発明特許を出願した日から15 ヶ月以降も、次の期日又は期間内に明細書又は図面を補正することができます。(但し、前述補正は、出願時の原明細書又は図面が開示する範囲を超えてはならない。)

  1. 実体審査を請求するとき。

  2. 出願人以外の者が実体審査を請求した場合、該出願について実体審査を行う旨の通知送達後3 ヶ月以内。

  3. 特許主務官庁が査定前に通知した意見書提出期間内。

  4. 再審査請求時、又は再審査理由書を補充提出することができる期間内。

また、特許明細書又は図面の補正は次の各項に限られます。 1、特許請求の範囲の縮減。 2、誤記の事項の訂正。 3、不明瞭な記載の説明。

前述補正は、出願時の原明細書又は図面に開示されている範囲を超えてはならず、かつ特許請求の範囲の実質を拡大又は変更してはならない。

 

◆特許料の納付

(発明特許料の納付):
発明特許料の納付は公告の日から起算します。1 年目の特許料は、許可査定後、出願人は査定書送達後3 ヶ月以内に証書料及び1 年目の特許料を納付しなければならず、2 年目以降の特許料は、それぞれの期間が満了する前に納付しなければなりません。

前述特許料は、数年分を一括して納付することができ、一括払い後、特許料の改定があった場合にも、その差額を追納する必要はありません。

なお、発明特許の2 年目以降の特許料を、特許料を納付すべき期間内に納付しなかった場合、期間満了後の6 ヶ月以内に追納することができますが、その納付金額は規定特許料の倍額とする。

(実用新案特許料の納付):
登録出願された実用新案は、出願者が実用新案権を付与する旨の処分書送達後3 ヶ月以内に証書料及び1 年目の年金を納付した後、はじめて公告されます。期間が満了しても前記費用を納付しない場合、公告せず、その実用新案権は最初から存在しなかったものとする。実用新案登録出願に係る実用新案は、公告日より実用新案権を付与し、証書を交付します。

(意匠特許料の納付):
意匠登録出願に係る意匠は許可査定後、出願人は査定書送達後3 ヶ月以内に証書料及び1 年目の特許料を納付しなければならず、前記費用が納付されてからはじめて公告されます。期限が満了しても納付しない場合、その意匠権は最初から存在しなかったものとする。意匠登録出願に係る意匠は、公告日より意匠権を付与し、証書を交付します。

なお、外国自然人、外国学校及び外国中小企業は特許年金減免の対象に適用することができます。外国学校及び外国中小企業は証明書類を提出し、特許主務官庁の審査により学校中小企業の認定標準に合致すれば、特許年金減免の適用対象となります。減免の金額について、第1年目から第3年目まで毎年台湾元800元を、第4年目から第6年目まで毎年台湾元1200元を減額します。

 

◆特許権の効力

発明特許権の範囲は、明細書に記載された特許請求の範囲を基準とし、特許請求の範囲の解釈時には、発明の説明及び図面を参酌することができます。

物品の発明の特許権者は、他人がその同意を得ずに、該物品を製造、販売、販売の申し出、使用をすること、又はこれらを目的として輸入することを排除する権利を専有します。 方法の発明の特許権者は、他人がその同意を得ずに、該方法を使用及び該方法をもって直接製造した物品を使用、販売の申し出、販売をすること、又はこれらを目的として輸入することを排除する権利を専有します。

発明特許権の効力は、次の各事項には及びません。

  1. 研究、授業又は試験のためにその発明を実施し、営利上の行為ではないもの。

(先使用権):

  1. 出願前、既に国内で使用されていたもの、又はその必要な準備を既に完了していたもの。但し、出願前の6 ヶ月以内に特許出願権者からその製造方法を知らされ、かつ特許出願権者がその特許権を留保する旨の表明をした場合は、この限りでない。

  2. 出願前、既に国内に存在していた物品。

  3. 単に国境を通過するにすぎない交通手段又はその装置。

(中用権):

  1. 特許出願権者ではない者が受けた特許権が、特許権者による無効審判請求のために無効になった場合、その実施権者が無効審判請求前に善意で国内で使用していたもの、又はその必要な準備を既に完了していたもの。但し、実施権者は、該特許権が無効審判請求により取り消された後も、依然として実施を継続する場合、特許権者による書面通知を受領した日から、特許権者に合理的な特許権使用料を支払わなければなりません。

(特許権の消尽):

  1. 特許権者が製造した又は特許権者の同意を得て製造した特許物品が販売された後、該物品を使用する又は再販売する行為。前記の製造、販売行為は国内に限りません。 前項第2 号及び第5 号の使用者は、その原事業内においてのみ継続して使用することができます。また、前項第6 号における販売できる区域は、裁判所が事実に基づいて認定します。

 

◆特許権侵害の損害賠償及び訴訟

発明特許権が侵害を受けた場合、特許権者は損害賠償を請求することができますほか、侵害の排除も請求することができます。侵害のおそれがある場合、差止を請求することができます。 専用実施権者も損害賠償、侵害の排除及び差止の請求をすることができます。発明特許権者又は専用実施権者は、損害賠償、侵害の排除及び差止を請求するとき、特許権侵害に係る物品又は侵害行為に用いた原料或は設備について、廃棄処分又はその他の必要とされる処置を請求することができます。また、発明者は氏名表示権が侵害された場合、発明者の氏名表示又はその他名誉回復のために必要な処分を請求することができます。

(消滅時効):
損害賠償、侵害の排除及び差止請求権は、請求権者が該侵害行為及び賠償義務者の存在を知った時点から2 年以内に行使しなければ、消滅します。また、該侵害行為があった時点から10 年を超えた場合も同様に時効により消滅します。 損害賠償を請求する際、損害の立証はかなり難しく、立証責任を果たせないがゆえに敗訴を受けたケースはしばしば見られます。したがって、特許権者の立証責任を軽減するため、特許法においては特許権侵害の損害賠償に特別の規定がおかれています。即ち、特許権者が損害賠償を請求する場合、次の損害賠償額算定方法により、その損害を算定することができます。

1、民法第216 条の規定による。但し、その損害を証明するための証拠や方法を提供することができない場合、発明特許権者は、その特許権の実施により通常得られた利益から、損害を受けた後に同一の特許権の実施により得られた利益を差し引いた差額をその損害額とすることができます。 2、侵害者が侵害行為により得られた利益による。侵害者がそのコスト又は必要経費について立証できない場合、該物品の販売により得られた全収入をその得た利益とする。 損害賠償のほか、発明特許権者の業務上の信用が侵害行為により損われた場合には、別途、それに相当する金額の賠償を請求することができます。 また、侵害行為が故意である場合、裁判所は侵害状況により損害額以上の賠償額を定めることができます。但し、損害額の3倍を超えてはならない。

また、他人の発明特許権を侵害する行為に用いた物、又は該侵害行為により生じた物は侵害された者の請求により、仮差押えをし、賠償の判決後、賠償金の全部又は一部に充当することができます。当事者が前条の起訴及び本条の仮差押えの申立てをした場合、裁判所は民事訴訟法の規定により訴訟による救済を許可しなければなりません。 また、製造方法の特許により製造された物品が、その製造方法の特許出願前に国内又は国外に見られなかった場合、他人が製造した同一の物品は、その方法特許により製造されたものと推定します。前項の推定は、反証を提出してこれを覆すことができます。被告が該同一の物品を製造した方法と製造方法特許とが異なることを証明したときは、反証を提出したものとみなす。被告が立証時に開示した製造上及び営業上の秘密の合法的権益は、十分に保障されなければなりません。 発明特許に係る訴訟事件について、裁判所は判決書の正本を一部、特許主務官庁に送達し、侵害を受けた者は勝訴判決確定後、裁判所に対し、敗訴者の負担で判決書の全文又は一部を新聞に掲載すべき旨の裁定を下すよう請求することができます。これに係る費用は敗訴者の負担とする。 発明特許権に関する民事訴訟について、出願、無効審判、又は取消が確定するまで、裁判所は審判を中止させることができます。また、無効審判が権利侵害訴訟の審理に関連する場合、特許主務官庁は優先的に審査します。

認可を得ていない外国法人又は団体は、本法が規定する事項について、民事訴訟を提起することができます。但し、条約又はその本国の法令や慣例により、台湾の国民又は団体が同国において同等の権利を享受することができる場合に限ります。団体又は機構が相互に特許を保護する協議を締結し、主務官庁の許可を受けた場合も同様とする。

発明特許訴訟について、裁判所は専門法廷を設け、特許主務官庁以外の特許侵害鑑定機関(特に司法院及び行政院の共同指定鑑定機関)に侵害鑑定を依頼し、専門家の意見を求めます。

また、発明特許、実用新案および意匠侵害に関する刑事罰がすでに廃止されるので、発明特許、実用新案および意匠侵害については民事手続きによって対処するしかありません。民事手続きによって侵害行為に対応する場合、侵害行為の排除、予防及び侵害物品の焼却・廃棄を請求するほか、侵害行為により被った損害の賠償を請求することができます。

特許権者は、特許に係る物品又はその包装に特許証の番号を表示しなければならず、並びに、実施権者又は強制実施権者にも該特許証番号の表示を要求することができます。損害賠償を請求するとき、特許侵害によって被った損害を立証して賠償を請求することはできるが、特許権者が特許の物品又はその包装に特許証書の番号を表示していなければ、損害賠償を請求することはできませんとされています。ただし、この特許表示については例外規定があり、すなわち侵害者が明らかに特許権物品であると知り、あるいは特許権物品であると知り得る事実を立証できれば、例外として損害賠償を請求することができます。 従って、特許侵害に対し賠償を請求する前に製品の特許表示の有無を確める必要があり、もし特許表示をしていなければ、侵害者の侵害行為が故意であることを証明するため、事前に警告状発送などによって対応することを検討する必要があります。

 

◆無効審判

利害関係者は、特許権の取消により回復できる法律上の利益がある場合、特許権の存続期間満了後又は特許権消滅後も無効審判を請求することができます。

無効審判請求者は、無効審判請求日から1 ヶ月以内に、無効審判理由及び証拠を補充提出しなければなりません。但し、無効審判査定前に提出された場合には、依然としてこれを参酌しなければなりません。特許主務官庁は、無効審判を審査する際、原審査に関与しなかった審査官を指定し審査させ、査定書を作成します。また、無効審判を審査する際、請求により又は職権で、期限を指定して、特許主務官庁に出頭して面談すること、或いは必要な実験を行い、模型又は見本を追加することを行うよう出願人に通知することができます。なお、無効審判を審査する期間中に、明細書又は図面の補正は次の各項に限られます。

1、特許請求の範囲の縮減。 2、誤記の事項の訂正。 3、不明瞭な記載の説明。

無効審判の審査結果について、無効審判が成立しなかった場合、何人も同一の事実又は同一の証拠をもって、無効審判を再請求することができません。

発明特許権が取り消された場合、その特許権の効力は最初から存在しなかったものとみなす。

 

◆特許権の強制実施及び改良発明の実施 国家の緊急事態に対応するため、又は公益を増進するための非営利目的の使用、或は申請者が合理的な商業条件を提示したにもかかわらず、相当期間内に実施許諾について協議できなかった場合、特許主務官庁は請求により、該申請者に特許権の強制実施を許可することができます。その実施は国内市場の需要に供給することを主としなければなりません。但し、半導体技術に係る特許について強制実施許諾を請求する場合は、公益の増進を目的とする非営利的使用に限ります。 特許権者に関して、競争制限又は不正競争の理由で裁判所による判決又は公正取引委員会による処分が確定した場合、前項に該当しなくても、特許主務官庁は請求により、該申請者に特許権の強制実施を許可することができます。 特許主務官庁は、強制実施の請求書を受理した後、その副本を特許権者に送達し、3 ヶ月以内に答弁させなければなりません。期間が満了しても答弁しなかった場合には、直ちにこれを処理することができます。 また、特許の強制実施権は、他人が同一の発明特許について別に実施権を取得することを妨げない。強制実施権者は特許権者に適当な補償金を支払わなければなりません。 また、強制実施権は、強制実施に関する営業と共に譲渡、信託、承継、授権、又は質権の設定をしなければなりません。 また、強制実施の原因が消滅した場合、特許主務官庁は、請求により強制実施を廃止させることができます。

また、強制実施権を取得した者が、強制実施の目的に違反した場合、特許主務官庁は、特許権者の請求により、又は職権で、その強制実施を廃止することができます。

再発明(改良発明)の特許権者は、原特許権者の同意を得なければ、その発明を実施することができません。製造方法の特許権者は、その製造方法により作成した物品が他人の特許に係るものである場合、該他人の同意を得なければ、該発明を実施することができません。再発明(改良発明)の特許権者と原特許権者、又は製造方法の特許権者と物品の特許権者は、協議により交互に実施許諾することができます。前項の協議が成立しない場合、再発明(改良発明)の特許権者及び原特許権者又は製造方法特許権者及び物品特許権者は、特許法第76 条の規定により強制実施を請求することができますが、再発明(改良発明)又は製造方法発明に係る技術は、原発明又は物品の発明と比べて明らかに経済的意義を有する重要な技術上の改良であるものに限り、再発明(改良発明)又は製造方法の特許権者が強制実施を請求することができます。再発明(改良発明)又は製造方法の特許権者が取得した強制実施権は、その特許権と共に譲渡、信託、相続、実施許諾又は質権の設定をしなければなりません。

◆特許権の消滅 次の各項に該当する場合、特許権は消滅します。 1、特許権の存続期間が満了したとき、期間満了の日の翌日から消滅する。 2、特許権者が死亡し、該特許権の相続人であることを主張する者がいない場合、該特許権が民法第1185 条の規定により国に帰属すべき日から消滅する。 3、二年目以降の特許料が追納期間が満了するまでに納付されなかった場合、該特許権は、本来の納付期間満了日の翌日より消滅する。但し、特許法第17 条第2 項の規定により現状回復された場合は、この限りでない。 4、特許権者が自ら特許権を放棄する場合、その書面に示された日から特許権は消滅する。

 

台湾実用新案登録出願の必要書類

◆委任状
◆優先権証明書(優先権主張をする場合のみ)
◆実用新案明細書(図面、実用新案登録請求の範囲を含む)

出願願書には「考案の名称の中文表記と英文表記」、「出願人の中文表記と英文表記」、「代表者及びその住所又は営業所所在地の中文表記と英文表記」、「考案者の中文表記と英文表記」、「優先権主張国の国名、優先権主張番号、優先日」を記入する必要があります。

二人以上の出願人の優先権証明書の提出について、台湾出願案に関係のあるものはすべて優先権証明書の提出が必要であり、優先日は一番早い日から起算します。  

出願願書の提出と同時に日本語明細書又は英語明細書を添付します。明細書の中文訳文は出願日後4ヶ月以内(但し、提出期限の延長請求により、さらに2ヶ月延長することができます。)に提出する必要があります。

現時点では、知的財産局(特許庁)所在の台北市以外の新竹市、台中市、台南市、高雄市にはそれぞれの窓口があり、書類は必ず台湾時間の午後430(日本時間530)以前に提出しなければなりません。

 

 

台湾実用新案登録出願の流れ

 

台湾の実用新案制度

◆実用新案の定義

台湾特許法は「実用新案とは、自然法則を利用した技術的思想のうち、物品の形状、構造又は組み合わせに係る創作を指す」と規定しています。

 

◆実用新案の出願から設定登録までの流れ

2004年7月1日から実用新案は実体審査が廃止され、方式審査の結果、設定登録の要件を満足すると認められた場合、約6ヶ月に設定登録を受けることができます。実用新案権の存続期間は、出願日から起算して10 年をもって満了とする。但し、2003 年1 月3 日改正特許法の施行前に公告された実用新案権の存続期間は、改正施行前の規定を適用します。即ち、2003 年1 月3 日前に公告された実用新案権の存続期間は出願日から起算して12 年をもって満了とする。

(明細書を補正できる時期及び範囲):
出願人は、実用新案を出願した日から2ヶ月以内に、明細書又は図面を補正することができます。但し、補正は出願時の原明細書又は図面が開示する範囲を超えてはならない。

登録出願された実用新案は、出願者が実用新案権を付与する旨の処分書送達後3 ヶ月以内に証書料及び1 年目の年金を納付した後、はじめて公告されます。期間が満了しても前記費用を納付しない場合、公告せず、その実用新案権は最初から存在しなかったものとする。

 

◆実用新案技術報告及び実用新案権の効力

実用新案権の範囲は、明細書に記載された請求の範囲を基準とし、請求の範囲を解釈する際には、創作説明及び図面を参酌することができます。

実用新案権者は、他人がその同意を得ずに該実用新案に係る物品を製造、販売の申し出、販売、使用すること、又はこれらを目的として輸入することを排除する権利を専有します。 

実用新案権者は権利行使する際に「実用新案技術報告」実用新案技術評価書添付しなければなりません。また、登録された実用新案が公知技術の場合は、台湾特許法第105条の規定「賠償責任を負わなければならない。前項の情況は、実用新案技術報告の内容に基づいて、又は可能な限りの注意を払った上で権利を行使した場合には、過失がなかったものと推定する。」により、この損害賠償は免責されません。

台湾特許法第103条の規定によれば、実用新案登録出願に係る実用新案の公告後、何人も知的財産局に対し、該実用新案の実用新案技術報告を請求することができます。実用新案技術報告は何回でも請求できます。また、実用新案権消滅後も実用新案技術報告を請求することができます。  

実用新案技術報告の作成について、審査官は実用新案登録請求の範囲の請求項ごとに対し、検索された前案または文献と比較し、新規性、擬制新規性、進歩性の評価を行います。比較結果に基づき、請求項ごとにコード記号123456が付与されます。コード記号が12345の場合、特許性が否定されます。コード記号が6の場合、特許性が肯定されます。ただし、明細書の記載が不明確などの理由で、検索が困難な場合にもコード記号6が付与されます。

知的財産局の公告によれば、実用新案技術報告請求を提出してから95%は8ケ月以内に実用新案技術報告を作成することができ、98%は10ケ月以内に作成することができます。また、200711日以降に知的財産局で技術評価の処理を開始した評価請求に対して、コード記号1(新規性なし)とコード記号2(進歩性なし)という評価の結果が出る場合のみ、実用新案権者に答弁の機会を与えます。実用新案権者は実用新案技術報告に対して明細書の更正(実用新案登録される前は補正・修正と呼ばれ、登録後は更正と呼ばれます。)を提出することができますが、知的財産局は更正後の明細書に対して改めて実用新案技術報告を作成しなければなりません。実用新案権者は更正前の明細書のみに対して答弁できます。なお、実用新案技術報告は知的財産局による行政処分ではなく、単に権利行使又は技術利用の際に参考にされたものだけであります。実用新案技術報告において進歩性無しと判断されても実用新案権が存在しつつあります。

200471 から実用新案の実体審査が廃止され、実用新案技術報告の作成は特許の審査基準を参考にすることになります。特許の進歩性の判断と実用新案の進歩性の判断との違いは当業者が容易に想到するという特許の進歩性に対して、実用新案の進歩性は当業者が“明らかに”容易に想到するものです。“明らかに”に関する判断の心証は審査官により違います。なお、200471 から施行した改正特許法において、実用新案に関して考案の効果の増進に関する記載が削除されました。考案は従来の技術よりも効果の増進がなくても、技術特徴の比較も行います。

なお、知的財産局による実用新案の無効審判の審査は実用新案技術報告の内容に拘束されません。

 

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